大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和34(オ)935 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人木島繁雄の上告理由第一点について。

原判決は、本件供託はその要件を欠き不適法というべく、これによつて上告人は

賃料債務遅滞の責は消滅せず賃料債務も消滅しないこと、被上告人が本件供託金を

異議なく受領した事実の認められない本件にあつては、単に還付の請求があつたか

らといつて、右供託が遡つて有効になつたり、右債務が消滅したりするいわれはな

いこと、そして原審の認定した事実関係の下においては上告人は口頭の提供をもつ

て遅滞の責を免れるものとは解し得ないことを判示しており、右原審の判断は、挙

示の証拠関係に照らしこれを是認することができる。しかるに、所論は原審におい

て主張のない事実もしくは原判示に副わない事実関係を前提とし、または右判示と

異なる独自の見解を主張して原判決を非難するものであつて、採るを得ない。

同第二点について。

所論は違憲をいうが、実質は、本件被上告人の解除権の行使が権利の濫用である

か否かの点について、原判決の単なる法令違反を主張するに帰する。しかし、原審

の認定した事実関係の下においては、右被上告人の解除権の行使は信義則に反し権

利の濫用であるとは認められないとした原判示は、これを是認することができる。

それ故、所論は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

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裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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